めっきのひろば > 銀めっきとは?②
銀めっきとは?②
銀めっきとは?
さて、ここからは銀めっきのお話です。
銀めっきとは、銀を使って素材に薄い皮膜をまとわせる技術です。
銀よりも安価な素材に銀めっきをすることで、コストを抑えながら銀のような見た目と機能を持たせることができます。
銀めっきのメリット
銀めっきをすることでいったいどんなメリットがあるのでしょうか?
・電気伝導性が高い

銀の長所のページにもありましたが、銀は金属の中で一番電気伝導率が高いです。電気を通す目的の製品にはぴったりです。
・熱伝導率が高い

こちらも銀の長所として紹介した機能の一つです。銀はすべての金属の中で最も熱伝導率が高いです。熱を伝えやすいため、冷えるのも速く、熱の放出としての役割も期待できます。
・はんだ付け性が良い

はじめに、はんだとはどのようなものか知っていますか?
はんだとは、電子部品をつなぐための低温で溶ける金属合金のことです。皆さんは、はんだごてという道具の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。はんだごてではんだに熱(実際には、によって発生した熱)を与えて溶かし接着していきます。
そして今回の本題であるはんだ付け性とは、はんだがどれほど接合しやすいかを示す性質のことです。めっきの表面がはんだになじみやすいかどうかで、信頼性や品質が大きく変わってきます。
銀ははんだが表面上で広がりやすいという特徴があります。また、はんだの主成分である錫と化学的に相性がよく、合金を形成しやすいのです。
このような特徴があるので、はんだ付け性に優れていると言えますね!
銀めっきは何に使われているの?
・電子機器

今、皆さんが使っているパソコンやスマホの、充電コードを挿す部分を見てください。
金属の部分がありませんか?実は、この部分にはめっきが使われているのです!
銀には電気伝導率が良いという特徴があります。電気を通すことを目的とした製品・部品には最適です。
他には、パソコン・スマホ内部の半導体やUSBの端子部分などにも使われています。
・自動車

実は自動車にも銀めっきは使われています。
電動ミラー用スイッチや排気と給気を切り替える部分のコネクタなど、主に車の内部に使われています。近年では、EV用の充電端子での使用も注目されています。
一見、どこに使われているかわからない銀めっきですが、見えない部分で活躍しているのです。
・航空機

航空機では、どの部分に銀めっきが使用されているか知っていますか?
主に、通信機や導波管で使われています。通信機や導波管は無線通信をする際に使用される製品のことで、これらを通して連絡を取っています。
身の回りには銀めっきを使用した製品がたくさんあることがわかりますね!
銀めっきのデメリットは?
ここまで銀や銀めっきの優れた点を紹介してきましたが、弱点もあるのです。
・黒ずみやすい
空気中のわずかな硫黄成分と反応して、表面が黒っぽくなってしまうことがあります。これを硫化と言います。
硫化を防ぐために、銀めっきでは変色防止の処理が行われることが多いです。
・柔らかくてすり減りやすい
強く擦れたりすると、めっきが剥がれたり傷ついたりすることも。
そのため、耐久性が必要な場合は硬質の銀めっきを使用したり合金めっきを使うこともあります。
最後に
銀は、電気や熱を伝えやすかったり、光の反射をしたり、抗菌作用があったりなど、たくさんの特長を持っています。
そして、銀めっきを使えば、銀の良さを手軽に様々な製品に取り入れることができます。
アクセサリーからスマホの中身まで、私たちの生活のあちこちで銀は大活躍しています。
次に何か銀色の物を見かけたら、「もしかしてこれ、銀めっきかも?」なんて思ってみると楽しいかもしれませんね。