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金めっきとは?①
はじめに
「金めっき」と聞くと、ピカピカの装飾品を思い浮かべる人も多いかもしれません。しかし、実はその裏には、性能面でも非常に優れた特性がたくさん詰まっています。特に電子部品や医療機器、宇宙産業など、高い信頼性が求められる分野では欠かせない技術です。
この記事では、金という金属の特徴や、金めっきの仕組み・用途・メリットとデメリットまで、初心者にもわかりやすく解説します。
金とは?
金は、元素記号「Au」で表される貴金属の一種です。古代から人類にとって特別な金属として重宝されており、装飾品や貨幣、宗教的な道具などに広く使われてきました。
金の特徴は、美しい金色の輝きと、空気中でも酸化せずに変色しにくい安定性にあります。自然界では単体のまま産出されることも多く、精錬や加工がしやすいため、古くから世界中で利用されてきました。
金の長所
金は、ただ「高価」な金属というだけではありません。以下のように、さまざまな機能的な長所を持っています。
・酸化や腐食に非常に強い
空気や水に触れても変色や錆びが起きにくく、長期間安定した状態を保てます。
・電気をよく通す
金は、銀に次いで高い電気伝導性を持ちます。信号のロスが少なく、電子部品に最適です。
・展延性(やわらかくて加工しやすい)
1gの金を何メートルもの細い線や薄いシートに加工できるほど、非常に柔らかい金属です。
・化学的に安定している
多くの薬品に対して反応せず、環境変化に強いのも魅力です。
金の使用用途
金の用途は、装飾目的に限りません。現代ではその優れた特性を活かし、以下のような幅広い分野で使われています。
・装飾品(ジュエリー・時計など)
見た目の美しさと変色しにくさから、アクセサリーとして定番。
・電子機器(パソコン、ICチップなど)
微細な電流を確実に伝えるために、金はコネクタや端子に使われます。
・医療機器・歯科材料
金は人体にやさしく、体内に入れてもアレルギー反応を起こしにくいため、人工関節や歯の詰め物などに利用されます。
・航空・宇宙産業
温度変化や放射線に強いため、人工衛星などの特殊用途でも活躍しています。
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