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金めっきとは?②
金めっきとは?

金めっきとは、金属や樹脂などの表面に、ごく薄い金の層をコーティングする表面処理のことです。金自体は非常に高価な金属ですが、表面だけに薄く金を施すことで、金の持つ優れた特性をリーズナブルに活かすことができます。
実際には、金めっきの厚みは1ミクロン以下のことも多く、肉眼では見えないほどですが、耐食性や導電性、高級感といった金の性能はしっかりと発揮されます。
金めっきのメリット
金めっきには、以下のようなさまざまなメリットがあります。
・酸化しにくく、信頼性が高い
電気接点や医療用部品など、絶対に錆びてはいけない場所で効果を発揮します。
・電気をしっかり通す
電子部品では、電流や信号のロスを抑えることができ、高性能化に貢献します。
・生体適合性が高い
人体に悪影響が少ないため、医療用途にも安心して使えます。
金めっきの使用用途
金めっきは、産業用から一般消費向けまで、さまざまな場面で使われています。
・電子部品(端子、プリント基板等)

信頼性の高い通電性能が求められる場面で活躍します。
・医療機器

体内に使う部品(心臓ペースメーカーの端子など)に利用されることもあります。
・車載部品・センサー

厳しい温度環境や振動下でも、安定した性能を維持できるため、自動車業界でも採用されています。
・時計やアクセサリー

金属アレルギーを起こしにくく、高級感のある見た目のため、装飾用途にも最適です。
金めっきのデメリット
一方で、金めっきには注意すべき点やデメリットも存在します。
・コストが高い
使用する金の量は少ないとはいえ、他のめっき(ニッケルめっきなど)と比べると材料費が高めです。
・一部の工程で毒性のある薬品が使われる場
めっき工程ではシアン化合物を含む浴液が使われることもあり、安全対策や処理技術が求められます。(現在は環境対応型の代替技術も進んでいます)
まとめ
金めっきは、「高価で美しい金の性能」を、必要なところだけに効率よく使える非常に優れた技術です。
電気的な性能・化学的な安定性・生体への安全性といった特長を活かして、電子機器、医療、航空など、現代社会のあらゆる分野で活躍しています。
見た目の華やかさだけでなく、その「頼れる性能」こそが、金めっきの真の魅力かもしれません。
今後も技術の進歩とともにさらに広がっていくことでしょう。