シンチレータとは
高エネルギー線(X線など)を可視光に
変換するための高画質のキーデバイス
シンチレータとは「高エネルギーが通過するときに発光する」物質の総称で、そこで出てくる光をシンチレーション光という。
- シンチレータと光検出器を組み合わせたシンチレーション検出器は、素粒子物理のみならず、身回りでも様々な用途で応用されている。
- 化学組成によって有機と無機に大別される。
引用:シンチレータ原理と応用例 筑波大学 飯田先生
適用分野
シンチレータはX線検出器に内蔵されており、X線CTなどの装置に用いられている。
X 線コンピュータトモグラフィー(X 線 -CT)装置や X 線透視装置は,産業用・医療用機器として製品検査や医療診断などに活用されており,2D ならびに 3D 画像を得るために,高エネルギー線である X 線を CMOS や CCD 検出機が検出できる可視光や紫外光に変換するシンチレータが組み込まれている。シンチレータ材料として,NaI や CsI 単結晶などのセラミックスシンチレータ が広く活用され,ルテチウム・アルミニウム・ガーネット(Lu3Al5O12,LuAG)やガドリニウム・アルミニウム・ガリウム・ガーネット(Gd3Al2Ga3O12,GaGG)などの単結晶が次世代材料として期待されている。
複合シンチレータを開発
~サポイン(戦略的基盤技術高度化支援事業)で豊橋技術科学大学と共同開発~
特長
従来のシンチレータは単結晶材料が用いられることが多いが、高価な物となっていた。
めっき製造技術により作られたZnOナノワイヤをガイド層として、多結晶蛍光体層を組み合わせ、安価な「複合シンチレータ」の開発をした。シンチレータ材料にはCMOS や CCD 検出器において比較的高い量子効率を示す波長範囲にある 535 nm 付近の可視光発光する 無機結晶材料のSrGa2S4:Euを選択した。
引用:表面技術協会2021年72巻6号 泳動電着により形成した X 線イメージング用 SrGa2S4:Eu シンチレータ
比較表
市販単結晶シンチレータ | 複合シンチレータ | |
大きさ | Φ15mm | 30×30mm |
分解能 | MAX2μm |
MAX5μm |
発光波長 | 535nm | 535nm |
潮解性 | なし | なし |
色 | 透明 | 緑 |
発光材料 | LuAG | SrGa2S4 |
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